
ベルヴェデーレ宮殿☆
路面電車に乗ってやって来たのは、「美しい眺め」と言う意味の「ベルヴェデーレ宮殿」(Schloss Belvedere)。
18世紀に建てられたバロック様式の宮殿で、元々はトルコ軍からウィーンを救った英雄プリンツ・オイゲン公の夏の離宮。
門をくぐって一歩中へ入ると、まずはその広大な敷地に思わず息を飲む!
聞こえてきたのは建物前での吹奏楽団による演奏。
さすが!と、これまた音楽の都を感じ、暑さも忘れてしばらく耳を傾けました。
その音色は暑さを吹き飛ばし、鼓舞されるように元気の出てくるものでした♬
「ベルヴェデーレ宮殿」は、19〜20世紀の主にオーストリア絵画を展示した「上宮」(Upper Belvedere)、プリンツ・オイゲン公の居室とギャラリーがある「下宮」(Lower Belvedere)、中世美術館の「プルンクシュタール」(Prunkstall)がありまして、今回私達は「上宮」(Upper Belvedere)のみのシングルチケットを購入。
混雑状況によるのでしょうが、この日は30分刻みでの入場規制がされていたため、入館時間まで庭園散歩。
「上宮」から眺める庭園は緩やかな下りになっていて、奥に見える赤い屋根の建物が「下宮」(Lower Belvedere)です。
庭園には存在感大のスフィンクスが点在し、庭を守っている風情。
で、このスフィンクスのバストに触れると幸せになれるそう。
と言うわけで、実際はおもいきりガッツリ両手が掴みましたが写真的にはこんな感じで。タッチ♡
そうこうしているうちに入館時間。
上宮美術館は、地下1階から3階までの4フロア構成。
入口ホールには白い柱の彫刻が立ち並び、それに続く白亜の壁と手すりも美しく、入った途端「うわ〜っ」♡
絵画は画家ごとに展示されているので作品は見つけやすく、入場規制されたことで夏休みとは言え混乱混雑はなく、とても見やすく感じました。
ちなみに館内の作品は一部を除いて撮影可能。
大理石の壁とゴージャスなシャンデリア、天井画に見惚れた「大理石の間」。
いかにも宮殿!
そんな宮殿の中での美術鑑賞はどこを見てもうっとりなため息がこぼれます。
鑑賞の合間に窓の景色を眺めると広がる庭園。
左右対称の幾何学デザインは宮殿からだと一望です。
そして「下宮」の先にはウィーン市街地が見えます。
ウィーンのシンボル「シュテファン寺院」の塔も見えました。
展示されていた1832年に描かれた「シュテファン寺院」の絵画を見ながら現在の姿を臨む。
こんな瞬間に歴史を感じます。
さて、オーストリア、ウィーンと言えば私にとっては大大大好きなグスタフ・クリムト(Gustav Klimt)!!
今回一番楽しみ、目的にしていたと言ってもいい本物「接吻」との対面♡
と言うわけで、ドキドキしながら展示ルームへ。
やはりここでは一番人気らしく、最も人が集まっていました。
これまで何度もあちこちのクリムト展には足を運んでいるものの、門外不出とされる代表作「接吻」を直に鑑賞したことがありませんでした。
焦がれ続けて何年?!ようやくこの二人に出会えた感で胸がいっぱいに…♡
そして意外な驚きは、この作品はずっと縦長だと思い込んでいたのですが、実際は180cm✕180cmの正方形キャンバスだったこと。
愛と美とエロティシズムに溢れる接吻。
眩い金箔がそれはそれは美しく、まさにクリムトの“黄金時代”作品。
本作品のモデルは、一般的にはクリムトと愛人のエミーレ・フレーゲとされてますが、その証拠や記録は残っておらず定かではないそうです。
できるならこの絵の前に座って1時間ぐらいずっと眺めていたかった。
これまでこの作品に対して、とにかく甘くうっとりでポジティブなオーラだけを感じてきたのですが、彼ら足元を見ると綺麗なお花畑チックではあるけれど、その先が崖っぷちにも見えるという解説を読んでドキッ。。
恋の絶頂が崖っぷち、一歩間違ったら真っ逆さまに落ちる恐怖もあるのだな…と。あるな。
恋愛は危ういもの。。
ま、でもうっとりしたまま堕ちるところまで堕ちてもいいじゃないか…そんな大恋愛が一生のうちに何度できるのか?!
と、観れば観るほど飽きないクリムトの接吻。
他にも素敵なクリムト作品多数展示され、クリムトファンにはたまらん!なベルヴェデーレ宮殿「上宮」。
「アダムとイヴ」
「ソーニア・クニップスの肖像画」
クリムトと並び称されるエゴン・シーレ(Egon Schiele)作品も多数。
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/fondation-louis-vuitton-1.html )
「エディス・シーレの肖像」
「ライナー家の少年」
えっ!
ジャック・ルイ・ダヴィット(Jacques-Louis David)の「サン・ベルナール峠を越えるナポレオン」がこちらの美術館所蔵だとは知らなかった!な驚きも。
格好いい一枚ではあるけれど、かなり美化されて描かれたもの?!
実際のナポレオンは乗馬が苦手で、このアルプス越えはロバ説、ラバ説を聞きますし。
そしてオーストリアといえば、欠かせない美女!
ミュージカルやお芝居でも人気の、オーストリア=ハンガリー帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の皇后「エリーザベト」。
愛称“Sissi”(シシィ)。
とにかくその美貌と現代でも十分通用するスーパーモデル級の抜群のスタイルだった彼女。
今回彼女にまつわるエピソードも現地ガイドさんに色々伺ったのでそれはまた別途綴ってみたいと思います。
と言うわけでベルヴェデーレ宮殿「上宮」にはクリムト、シーレはじめココシュカ、マカルトといったウィーン世紀末の画家作品の宝庫でしたが、私としては長年の夢だった「接吻」を鑑賞できたことで満たされました。
うん、満足!と美術館を出ると、ちょうど接吻デザインのミニトラックが入って来ました。
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